20170706 学部1年 スピーチコンテストに向けて

今年度、学部1年生の1クラスを担任しているわたしは、担任が必ず担当する「人間教育学セミナー」という授業を担当しています。

これは、教員を目指す学生達に向けての一般教養というか、資質能力を育てる授業と言いますか、そんな感じのもので、大学全体が学校の教員の入口として大切に扱っている授業です。その証拠に、この授業は学部1年生必須で、この授業の単位を落としてしまったら2年へ進級できません。

様々な仕組みがある授業なのですが、その大きなゴールの一つは、クラス代表のスピーチです。それが来週の授業に開かれます。

その前の週の今回(水曜日のことです)は、クラス全体で4分のスピーチを行い、それを通してクラス代表を決めるというものでした。

来週のスピーチ。代表がそれぞれどんな話をするのかとても楽しみではありますが、たぶん、それ以上に今回の授業がよかったです。

10人がそれぞれにある「理想の教師像」を4分かけて真剣に語る姿はなんだかグッとくるものがありました。来週は大きな講堂で代表者だけが話します。たぶん、それはそれで、代表者が話すので素敵な話でしょう。でも、大人数なので一人一人の表情や感じ方、それ以上に個々のキャラクターがわかりません。今回クラスで発表し合ったのは、個々のキャラクターを数ヶ月知った上でのスピーチでしたから、十分、その発表者の背景を想像することができてぐっとくるものでした。

内容としては

  • 子どもと友達のように仲の良い先生がいる反面、子どもたちになめられてしまう先生もいる。その分かれ目は何なのだろうと考察していたり、
  • 話し手に問いかけたり、疑問を投げかけて、考えさせるようにしたり、
  • ユーモアを入れて聞き手をリラックス&集中させるようにしたり、
  • 自分の尊敬する先生とのエピソードを話したり、
  • 子どもを怒ることの意味を考えていたり、
  • 教師の仕事の多忙化に目を向けて学校の仕組みの改善の提案をしていたり、
  • 学ぶことの楽しさに目を向かせてくれた先生をきっかけに、「学ぶこと」「教えること」は何かということを考えていたり、
  • この授業(人間教育学セミナー)の中で読んだ、大村はま「教えるということ」、苫野一徳「教育の力」の内容と自分の体験を結びつけて話したり、
  • 自分の生徒時代の辛い体験をスピーチの中で自己開示したり(自己開示できるほど、消化できたということですよね。よかった。)、
  • 相手の立場に立って考えることの大切さと、難しさを語っていたり、
  • 学校では必ず当たり前に扱われる「あいさつ」を入口に理想の教師像を語ろうとチャレンジしたり、
  • 一人一人、考え方が異なるのだから、その多様性を当たり前に受け入れるところからの教育でありたいという話から、
  • 寄り添ってくれた恩師を自分も目指したいという熱い話から、
  • もともと、教育の世界と縁のなかった生活環境から、自分一人だけ教育に目を向けて飛び込んでいこうとしているという理想に燃える話しから、

感激しっぱなしのスピーチの連続でした。
さすが、教育畑を目指す学生だけあって「4分のスピーチですよ」と伝えておいたら、当たり前のようにほぼ4分のスピーチに組み立ててきました。さすがです。

わたしからは、最後に、
「今日、みなさん一人一人の声、考えを久々に聞くことができました。私もそうでしたが、みなさんもいい時間だったと思ったのではないでしょうか。4月、ドキドキしてこのクラスのみんなと初めて会ったとき、よし、大学の生活、学習、がんばるぞと全員が思っていたはずですが、数ヶ月過ぎて、毎日の授業になれると、少しだらけてしまっている人、いませんか?たぶん、今日の話を組み立てる過程で、そして、今日の話を聞いて、そうだった、そのために、この大学に来たんだったと思い出している人、思い直している人、たくさんいることでしょう。夏休み直前に向けて、気持ちをリセットして、リスタートしましょう。今日、またみなさんの姿が大きく見えます」
と話して終えました。

© Takayuki Abe 2016