ネット上の誰かの感想に書かれていたが、登場人物のほとんどがメンヘラな人たちのお話。
とはいっても、わたしは「メンヘラ」という言葉は聞くけれどその実態をよくは知らないのでそうなのかなぁとも思いました。
「そうなのかなぁ」というのは、「メンヘラ」な人たちは「メンヘラ」な人たちに囲まれている(?)、関わっている(?)ということです。
これは小説だからですかね。現実はそうじゃないのかな。
でもメディアとかものの本にはまことしやかに書いているじゃないですか。虐待を受けて育った人は、自分も虐待をしがちであると。それをステレオタイプのように信じてしまうのは期間だし、極端とは思います。
しかしながら、この小説は結果的にはそんな感じに流れていきます。
これらを助けてくれるのは、メタ認知を促してくれる人の存在。
他者によって受けた傷は、他者によって治してもらうことができる(もちろん、変わるのは自分自身なので自分自身の内なる力を気づかせてくれる触媒としての他者なのでしょうけど)なのかなと思いました。
あくまでも、小説から受けた自分の考えという意味です。
人間は人間同士の関わりを通して、目の前の出来事を自分の中での現実に変換するようなので、他者との関わりをより大切に意識したいと考えました。
著者 島本理生
出版社 文藝春秋
発売日 2018/05/31
ナレーター 松井 玲奈
★★★☆☆
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