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執筆者の写真あべたか

わたしの電子書籍読書術〜Scrapboxをツェッテルカステン風に利用することを意図して


ここ数回,電子書籍化のことを書いています。電子書籍化は,物理的に紙の本を整理する(失くす)ことや常時大量の本を手元に持参することができるというメリットの他に,「記憶と記録に残る読書をする」という意味でもわたしにとっては大きいです。

【参照】


小説の場合,空気を吸うようにどんどん読み流していく感じではありますが(といっても,全ての行為に意味を持たせたいわたしとしては,小説でも,読んだ後,「タイトル」「執筆者」「簡単な感想」を残しておくようにしています),実用書や学術書は,せっかく読むのだから,読んだ内容をその後の何かに活かしたいと思っています。


そこで,Scrapboxをツェッテルカステン風に使うことと電子書籍の読書術です。


「最強のメモ術」ツェッテルカステンのおさらい

ツェッテルカステンとは,Niklas Luhmann(ニクラス・ルーマン)というドイツの社会学者が行なっていたメモ術で,脳のシナプスをイメージするように,メモとメモをリンク形式でつなげながら保存していきます。


少し前に,わたしのブログでもツェッテルカステンについて書いています。


このツェッテルカステンをデジタル上で心地よく進めることができるとわたしが考えているのが,Scrapboxです。


電子書籍読書〜Scrapboxへ

ここから,「電子書籍」読書からどのようにScrapboxへ送り込み,かつ,ツェッテルカステン風になるのか,説明していきましょう。


上の画像を見てください。

これは,わたしが今読んでいる電子書籍の画面です。

気になるところ,記録や記憶として残しておきたいところをなぞります。

(画面上では,黒くなっているところがそれです。)

なぞって黒くすると,メニューが表示されいくつかの作業ができます。

その一つに,メモを残せる機能があります。

そこに,なぞった(黒くした)時の自分の気持ちや考えをあまり深く考えずに素直に書いておきます。

この電子書籍をすべて読み終えたら,メニューの中から,記録したメモの一覧の画面を表示して,一括して,自分が設定した場所へこのメモを送ります(共有します)。わたしの場合は,自分のGoogleDriveに共有するようにしています。


ちなみに,共有される内容は大きく2つです。

一つは,なぞった部分(黒い部分)のテキスト(文章)そのものです。本を読んでいると,このフレーズ,文章を記録,記憶しておきたいと思うときがありますよね。実際わたしは,紙の本を読んでいる時は,読後,印をつけておいた部分の文章をScrapboxにテキスト打ち(文字入力)しています。それをしなくてよくなります。

二つは,上に書いていますが,自分の気持ち・考えを書いたメモ文書です。本を読んでいて,その時その時にいろいろと思い浮かぶわけですが,すかさず書き込んでおき,それが文字化(テキスト)になるということです。


ここからは,直接的な表示は避けますが(つまり,なぞった文章をPCに送っているため,それを表示するのを避けるため),共有したGoogleDriveの文章をScrapboxに貼り付けていく作業をします。

このあたり,Scrapboxを使ったことのない人には何を言っているのかまったくわからないと思いますが,がんばって説明してみます(実物を見せていないので,よけいわかりにくく,抽象的な表現になっています。ごめんなさい。)

  1. Scrapboxにこの書籍の情報ページを作成します。(例えば,あべたか解体新書←ちなみにこんな本はありません)

  2. 情報ページには,タイトル,著者名,出版社名,出版年月などの基本情報を書き入れておきます。

  3. 本の全体の構成を書きます。(整っている時は,目次をそのまま書く感じでいいです)

  4. (ここから本番)GoogleDriveに送っておいたメモの内容をこの書籍の情報ページにつながる(リンクを張る)ようにして,どんどんScrapboxにページを作成していきます。上に書いていますが,2つの種類の文章があるわけです。「書籍のテキストそのもの」と「わたしの気持ち・考え」ですね。それぞれ,カード化する感じでScrapboxに追加していくわけです。

  5. その際,記録した内容を二次利用できるように(または,おもいがけない内容とつながるように),Scrapboxの簡単にリンク構造を作れるという性質を活かして,気になる言葉を半角の「[」と「]」で囲んでいきます。

  6. Scrapboxは半角の「[」と「]」で文字列を囲むと過去と未来の「[」と「]」で囲んだ文字列にリンクを張ることができる性質があります。

  7. すると,もともとキーワード化された言葉は,(わたしの場合)ブルーに表示され,まだキーワード化されていない言葉はオレンジに表示されることになります。(下の画面参照)


ここでのポイントは,下の画像(Scrapboxの一画面)のように,書籍の文章だけでなく,気になった文章に対するわたしの考えや気持ちもScrapboxに1つのページとして残してあることです。で,この文章にも今後リンクが張られていく可能性があるということですね。


ツェッテルカステンを紹介している下のHPから簡単にツェッテルカステンの原則を引用紹介します。


  1. カード1枚につき1アイデア(焦点がブレない)

  2. カード1枚で完結(そうすればリンクも入れ替えも自由自在)

  3. 必ずほかのカードとリンク(脳神経細胞と同じくネットワークに接続されていなければ忘れ去られる)

  4. リンクの意味を注釈しておく(見直したときに思い出せる)

  5. 必ず自分の言葉で書く(自分の言葉ならいつでも内容を理解しやすい)

  6. 参考文献を残しておく(盗用防止および原点回帰ができる)

  7. 自分の意見があれば書き加えておく

  8. どのカテゴリに入るかなど気にする必要なし

  9. リンクが無作為になったら説明用のカードも追加(混乱しないように)

  10. アイデアがまとまりそうになったら、その流れを記したカードを作成

  11. カードを削除しない(どう思考が展開したかわからなくなるから)

  12. 恐れずにカードを追加する


わたしは,ツェッテルカステンを知る前から,Scrapboxを使っており,もともと,記録と記録の間に「リンク」を意図的,無意図的に結びつけていくことで,思いがけない発想やアイデアを思い浮かべたり,気付いたりするのではないかと思っていました。

ですので,ツェッテルカステンを知った時は我が意を得たりという気持ちだったのですが,上でいえば,「4.リンクの意味を注釈しておく(見直したときに思い出せる)」と「5.必ず自分の言葉で書く(自分の言葉ならいつでも内容を理解しやすい)」が不十分かなぁと思っていたのです。しかし,電子書籍を読んでいく時は,今回紹介したようなことをすることで(つまり,上の画像のとおりにすること)問題がクリアされるなぁと思っています。


附則

自分が行っていることを自由気ままに書きました。

汎用性という意味で,少し付け足しておきます。

今回私が紹介した環境は,Booxの端末(Nova Air)を利用し,電子書籍を読む時はこの端末に付属している電子書籍リーダーを利用しています。電子書籍は,自分が紙の書籍を自炊(pdf化)したものを読んでいます。

ですから,同じ環境の方は全く同じ使い方ができると思います。


ちなみに,kindle本でも,同様の操作(テキストをなぞる。なぞったテキスト部分にメモをとる。これらをPCに一括して送る・共有する)はできます。


Booxを中心に使う前は,iPadで電子書籍(自炊したpdf本)を「i文庫HD」で読んでいました。やはり,同じことができます。


このような状態なので,予想するに,他の端末でも今ではできることが当たり前になっているのではないでしょうか。



みなさんも,「電子書籍→Scrapbox with Zettelkasten」を行なって知的な脳内旅行にでかけてみませんか?


こうした読書話もお酒を飲みながら,いろいろとしてみたいです。



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