早かったのか,遅かったのか,もはや時の進む速度さえも鈍感になってきている今日このごろです。
年末年始は実家に戻ってしばらくはHPを更新しなくなると思うので,ここで2024年をふり返っておきたいと思います。
チャレンジを与えてもらえた年
今年の私は,全体をまとめて一言で言えば「この歳になってもチャレンジさせてもらえたありがたい年だった」ということになります。
それを項目立てると大きくは3つになりますかね。
単著の出版
1つは,単著「ウェルビーイングな学級経営のためのポジティブ心理学」の出版です(ここ,数回,何度も本書を取り上げてすみません)。
本書の内容に関しては,上の【参照】のリンクを参考にしてください。ここでは,「ふり返り」と結びつけて裏話的なことを書きます。
この本の思いは,この本の「おわりに」に,エピソード的に書いています。そこにも書いていますが,編著,共著で何冊かの本を書かせていただきましたが,いつの日にか単著を書くことは諦めていました。なぜなら編著,共著で自分が与えられた分量を書くことが精一杯だったからです。私の知人友人には単著を何冊も書いている方がいます。憧れやライバル心,そして嫉妬心もありましたが,そんなのを持っていても書けないんだからしかたありません。彼らは本当に素晴らしい。そして,すごいです。
また,2ページや4ページのネタ的なものを50,60書いて,1冊の本に仕上げていくという手法もあると思いますが,今の私は書くならしっかりとした読み物としての本を書いてみたいと思っていました(でも,書けない自分がいたわけです)。
そんな中,今年の春,ひょんなことで単著(つまり本書)を書く機会を得ました。その時,うれしいと同時に「書けるのか?自分に?」と不安がよぎりました。まず,出版社を介して本を書きたいと思っていても出す機会さえもらえない方がいます。どんな評価をもらえるかわからないけれど,こうした機会をいただけるのなら書くべきだと思いました。大変だぞ……と覚悟を決めて書きました。
人によって評価は様々と思いますが,今まで「学級経営」について自分の中でずっと温めてきたものをウェルビーイングとそれに関係するポジティブ心理学と紐づけて書くことができました。今後,いろんなところに出かけていくときは「私が考える学級経営の基本的なところはこの本に書いてあります」と言える本ができあがりました。
声をかけてくださり,この本にチャレンジさせてくださった,(株)アルテの市村社長に感謝いたします。
初めての場所での講座講演
今までも,年に何度か講座講演をさせてもらっていますが,今まではなんとなくつながっている方からの声かけだったのに対して,今年は縁もゆかりもないところから声をかけていただくことが多くありました。また,その参加者数も随分多いところがあり,50人以下が適正人数と考えている自分にとって,チャレンジさせてもらえた1年でした。
【参照】
山梨総合教育センター〜「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実に向けた学級経営〜終了|あべたか研究室←ここも山梨
京都府乙訓小学校教育研究会「主体的な授業づくり,学級づくり」終了!〜皆様,とても積極的に参加してくださりありがたく思いました|あべたか研究室←ここは京都
台風第10号の影響で,気持ちだけ鳥取県倉吉市へ〜誰もが力を発揮できる学級づくり 〜ファシリテーション技術を活かした学級経営・ホームルーム経営〜|あべたか研究室←本当は行くはずだったけど行けなかった島根(オンラインで実施)
里帰りの気分で「令和6年度福島県小学校教育研究会社会科研究会安達地区大会」の講演をしてきました|あべたか研究室←地元福島だけど,普通だったら呼ばれないであろう会合
「令和6年度新潟大学附属新潟小学校初等教育研究会」に第6学年社会科の助言者として参加|あべたか研究室←新潟市ね。今まで一般参加する会だと思っていたところにお招きされました
こうしてみると,ここ数年間,学級経営とファシリテーションを結びつけたことを発信してきたことに興味関心をもってもらって声をかけてみようと思ってくださった方が多いように感じました。やはり,一つのことにこだわって発信(アウトプット)し続けることは大切だと思いました。
また,今年は久しぶりに数件「社会科」で声をかけてもらいました。これは,今年の3月3日,京都にある新学社で社会科の講座をもったからでしょう。糸井登先生のおかげです。ちなみに,新学社の資料集の付録に私達が作成したパワーポイント資料がついてきます。来年度はさらに付録パワーポイントの数が増えるということです。ぜひ,新学社の資料集をご採用ください(笑)。
【参照】
阿部隆幸・ちょんせいこ(編著)学級経営がうまくいくファシリテーション(学事出版、2023年7月)発刊|あべたか研究室←学級経営にファシリテーションを取り入れていく具体例がわかります
最初で最後。語りたいことを語りたいように語らせてもらいました(笑)「社会科授業つくり方のアレコレ教えます!」終了!|あべたか研究室←京都の新学社本社での講座でした
また,「好評でしたのでまた来てください」と数ヶ月後に招いてくれたり,「今年も来てください」と声をかけてくれたり,はたまた大学時代の友人が声をかけてくれたりということもありました。
【参照】
昨年末に続き,山形の小学校へ〜協同学習と協働学習。積極的な活動参加により前のめり研修へ|あべたか研究室←新年度になってすぐに来てください!と声をかけられました
福島大学「学級経営の充実のための講座パート 2 〜道徳・特別活動を中心として〜」が終わりました!|あべたか研究室←母校で2年連続の学級経営講座。喜びもひとしおです
日本海から太平洋へ〜福島県いわき市で初めての校内研修講師〜「対話」の理論と実践-学ぶ意欲の高い先生たちと共に|あべたか研究室←大学時代の私のヒーロー的存在の方から声をかけていただきました
学生たちのチャレンジから得たチャレンジ
本学(上越教育大学教職大学院)の全国比類なき特長の一つに学校支援フィールドワークという名の学校実習があります。約3,4ヶ月,150時間にわたってチームを組んで特定の学校にその学校の目標達成,または課題解決を共に行っていく形で入っていきます。
この学校実習自体は,わたしが本学の教員になってからずっと行っているので,学生にとってチャレンジであっても,私にとっては年々(繰り返すという意味では)チャレンジングではなくなっていくわけです。
しかし,今年度は各々の学生たちが積極的に主体的に取り組んだおかげで,私自身,例年にない気づきや参加をすることになり,「ちゃれんじさせてもらえた」感じです。
何も前提がない中での,「自由進度学習」の提案を進めていく姿
「クラス会議」に果敢に取り組んでいく姿
PBSに取り組んでいく姿
SOGI/SOGIEの授業実践に取り組む姿
実践をした,だけでなく,しっかりとデータを取得し,学修成果につなげたり,学会発表につなげようとしています。
例年の何倍も個人ゼミを行いました。学生の主体性に揺り動かされるというのは,遠く自分自身が思い描いていた一つの姿でもあるので,それに近づいているかなと感じました。これが,今年で終わるのではなくて続いていくにはどうすればよいか考えていきたいですね。
「生きる意味」を考える年でもありました
いちいち書きませんでしたし,各内容でもないと思っていましたが(じゃあ,ここで書くなよってことですけど……苦笑),昨年から今年は「私という自我」を形作ってくださった方が次々に亡くなった年でもありました。
一般と比較してまだまだそういう年齢でないにもかかわらず,世を去っていきました(芸能人にもそういう方がたくさんいらっしゃいましたが,その方ではなくて私の親類縁者です)。とてもとても身近な方が,自分の前からいなくなってしまったことを思うと,60歳にもなろうとしている自分でありながら「生きるってなんだろう」「人生ってなんだろう」って今更ながらに考えます。これ,中学生の時分から考えているような気がします。ほんと未熟だわ自分。
8割仕事術を標榜する私は,「緩やかな下り坂」「穏やかなフェードアウト」を狙ってはおります。
来年も「チャレンジさせてもらう年」であり「チャレンジする年」にする!
とはいえ,来年はすでに「チャレンジさせてもらう」ことがいくつか決まっており,これはこれで,私の今までの人生にない新たなチャレンジになることと思います。私にチャレンジの場を与えてくださった方に感謝しています。その方に損をさせないように,自分でも創意工夫を重ねるとともに,自分自身を研鑽したいと思っています。内容はまだここで紹介できません。春ごろに紹介できますかね。私と私の周辺には関わりがありますが,多くの方にはあまり関係しないことです(なんだか思わせぶりな書き方してますねぇ……ごめんなさい)。ま,つまりはほとんどの方には関係ないということですわ(笑)。
また,先日,ブログに書いた通り共同実践者を募り自分から動いていこうとも思っています。これは「チャレンジする」ですね。ブログにこの内容を書いて公開する時,少し震えました(ビビりました)。私を知っている人はおわかりのとおり,とてもとても小心者なのです。一度失敗しているので,今回,ちゃんとできるかなぁと心配してのことです。
なにはともあれ,残された人生を楽しむ。
楽しいと思うことだけを行っていく。
こんな人生でいようと(今のところ)思っています。
ちなみに,全くここまでと関係ない文脈に思われるかもしれませんが,菊池雄星さんのインタビューから学ぶところ,たくさんありますよ。
おすすめです。
前編
後編
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